2009年1~5月

2009/01/01

 

新年が来ました。明けておめでとうございます。

暖かな日差しの中工房の神々に感謝する。 一番に火の神にです。一日中指導日はガスを使っている。

工房内は燃えそうなものばかり。天井には糸がかかり、機が6台座っている。火の神を鎮めて守っていただく。 初染めに「紅花」の黄水抜きに入りました。


2009/01/07

 

ウールの単糸を織っています。いただきものの糸で杉綾を織っていますが、単糸の場合寄り止めがして有るかを見る事が大切な事です。単糸は意外と強く寄りかけがしてことが多く、そのために糸の張りを緩めれば糸が巻く。織り耳は張りが強い為にブツと出ます。出すまいとすれば織り地が縮むので注意が必要。織り縮みを防ぐ為に糸の緩みを入れれば織り地に糸の捩れがでる。織って見て必ず縮れ防止を確認する事。

縮れ防止は・・・

木枠に糸を巻いて30分ほど蒸す(15分蒸す、上下を掛けて15分)綛上げをして干して使う。

防止が出来ているかを確認するには・・・

糸をたらして張りを緩めてみて、糸が巻くことが無ければ完成。


2009/01/17

 

ウールの染め・・・

初染めに「紅花」の黄水抜きをして一番液を残してウールを染める。

1000gの並太:明礬6%・黄液10Lで染めた。ウールは後の作業に時間が取られる。

この作業をしないのであれば染めない。残液で竹糸を今回染めた。全てを吸い下水に流す。

媒染も追加しなくて染める事が出来た。

今日は冬青を染めた。1000gの並太:明礬6%・冬青20Lで染めた。(綿糸に半量の色素)よく染まった。この液は色素が残らず作業が無かった。ウール染めには後で染めるものを用意して染めると気持ちが好い。来週から指導が二週続く。工房に活気が戻ってくる。

皆元気な顔を見せてください。待っています。


2009/01/24

 

山荘で紅花染めを指導・・・

今日は雪模様。初めての山荘内で染めをする。紅・酢・ガス・薪等の

臭いが充満!!!大丈夫かな...

紅花そめのポイント・・・

※黄水を丁寧に抜く

※染めに温度は36~40℃

※アルカリから酸性にして染める

※染めの重ね 今まで3回で留めていたが5~6回は重ねたいと反省!!!

好い色に染まりました。感謝!!!


2009/01/30

 

木灰の事…この木灰は山荘の薪ストーブから出たものを使う。

木灰7.5kgに熱湯を40L、取れた液は18.6Lです。

液を取り出す場合、木灰を混ぜない事。濁ってしまいます。

上澄み液のみとする。今回雑木の灰なので液に色がある。

紅花を染めれば色に変化が有った。炭酸カリウムのアルカリにすれば綺麗な澄んだ色に上る。今回は紫がかり少しくすんで見える。

灰の雑味であると思う。

よく言う灰はアルミにある椿等の灰が良い。色に響く。

薬品は如何に手軽に安定した色をいただく事ができるかと言うことです。しかし先人は灰の性質も見抜き、工夫して色を丁寧に出していた事か感じられます。今それをする事は非常に難しくなっています。これが自然の色だと知って欲しいと指導する側が努力が必要と! 灰汁だし紅花染めを公開したいと思う。


2009/02/03

 

紅花の黄水・・・

容器に紅花と水を加えて放置している所です。この一番黄水をウールの黄染めに使います。黄水を漉してみるとこんなに乾燥すれば顔料に成るのでと思うほど溜まっています。容器に保存してみました。この黄水は出ること出ること・・・丁寧に抜く事が大切です。

今年の黄水でウールを染めてまだ残った色素で竹糸を染めました。

しっかりと色素は残っていて染まります。ありがたく黄色をいただき竹糸の一色にしたいと思っています。


2009/02/04

 

竹糸の豆汁糸・・・

今日は冬晴れの一日でした。久しぶりに豆汁をする気になりました。少し風もあり、

豆汁日和です。真っ白な竹の糸を見ていると染めた。織りと言う気持ちが高ぶってきます。

私の生きる活力です。そろそろ自分で豆汁をしてみたいと思います。事故以来全て主人に甘えてお任せしております。糸に常に関わっていなくては、染織の感覚が失せて来ます。

竹糸に力をもらって今年も頑張りたいと思います。竹糸に関わって10年が来ましたが、100%の竹糸は染まりにくいです。時間を掛けてゆっくりと関わることが肝要です。

その時間がたのしい時間でもありますが。


2009/02/24

 

左利き指導をしている・・・

工房に左利きの人が居る。自分も寄り左利き近いが、通しや踏み等が完全に左利き。

自分はボールを投げる&受ける、タオルを捻る事等は左であるがそれ以外はそれなりに

過ごしている。そうなると工房では自分の機で織って、染めれてと言葉にしているので

これを実行するには少し頭を使かせねばうまくいかない。ヘルトもしかり、右利きには

ワイヤーヘルトの上に色が付いている。穴のねじれが右に向く。左利きにはその反対に

しなくは目ガラスの通りが悪い。そう聞いてはいたが見ていると初めてで楽に通している。

何故だかまだ分からないが左利きの人も寄り楽しく染織をしていけるか、課題である。


2009/03/17

 

知多もめん・・・ 私達の工房は知多半島の中程の所に位置する。展覧会等で毎回、

知多もめんを織っているのかと質問されるがそうではない。知多もめんは晒しもめんで

白地です。今もそうだと思いますよ。いつぞや東京で知多の方々が知多もめんの展覧会をして感動した事を覚えている。手紡糸で染めてない糸で見事に織って有った。

本来これが「知多もめん」と本当に感動した。昨年名博に真岡の人が見に来てくださって、その方は真岡もめんを織り続けると話してはおいでであった。白地で織って洒落たシャツを着ておいででした。頑張って伝承して欲しいと願う。

写真は「知多もめん」二重ガーゼ織りのショールです。豆汁をして染めるのですが、今日は天気もよく豆汁には良い日です。私達も多いにこんな「知多もめん」を使わせて

いただき染めたいものです。


2009/03/26

 

天候の良い日を見つけて豆汁をしょう・・・ 年から年中、豆汁の作業をしておりますが、年間を通して良い日ばかりではありません。風が無いまたは有り過ぎる(糸が踊りすぎる・湿度が多い。 冬は温度が上らないと豆汁液が氷つく!!! 最適な日は、程良い風が吹き、暖かくカラっとしていること。こんな日が二~三日続く事ありがたいのだけれど…。

お彼岸も過ぎて暖かくなりました。主人は毎日天気予報を見ては豆汁の仕込みにかかっております。できるときにはして置かねばね、工房にとっては染める過程の大切な部分です。

この作業で色の良し悪しが出ます。工房を開講して20年余りになりますが道具のきれいな事。

主人が丁寧に道具を扱いますから、生徒一人ひとりが丁寧に扱ってくれます。ありがたい事

です。道具は一度買えばズッと使う物ですから、良いものを求めて丁寧に使い込んでください。


2009/04/10

 

山荘の森に返す「クヌギの木」・・・

二冬を越した「クヌギの苗」山荘の森に移そうと思います。小さなポットの中でしっかりと根を張り、30本近く有った苗が11本になりました。しばらく替えたポットの中で静養して移す予定です。染めには大切な木ですし、森の小動物のドングリがご馳走になります。ドングリのカクトをいただき素敵なグレーを染めます。

山荘を立てて多くの木々を植えてきましたが今年初めて植えて三年目の桜が十五輪花をつけました。待ちに待った花です。毎年花数が増して楽しませてくれるでしょう。

廻りに8本の桜の木が育っています。


2009/04/15

 

竹糸の色糸・・・

竹糸(竹繊維100%)の染めは蛋白質が無いので染まらない。工房では豆汁をして染めています。

普段は綿糸をよく使い指導しておりますがこれも豆汁をしなければ染まらない繊維です。

竹糸は綿糸の倍は染めの時間がかかります。色素をなかなか吸ってくれません。根気よく丁寧に染めれば、糸は答えてくれます。

五月の銀座の展示会に展示する為に用意したものです。


2009/05/15

 

桜の落葉で染めた。

新しい生徒さんが豆汁講座を終えて早速染めた「桜染め」一泊二日の講座を終えて、早速染めたと話してくださいました。昨年の9月から今日までに3回染めをしたそうです。

きれいですね。

染め方法はと尋ねれば、中性抽出のアルミ媒染。豆汁が綺麗にできているので染めもきれいです。この染め方は簡単に材料を集める事ができて、季節には良い染め方です。

「桜の葉染め」は以前発酵させて染める方法を聞いた事がありますが、これは試してみる価値があります。葉が落葉に成る頃染めてみたいと思いました。正に冬青の色をして

おります。


2009/05/20

 

本当に豆汁処理は優れもの!!! ドラムの経糸が巻けた状態です。色が良いので乗せることにしました。「孫さんの着物」にです。元気な可愛いお孫さんのイメージで縞立てをしました。

赤が映え肌と良く合います、豆汁の成果が出ています。煮染めの指導に一度に四色を染めます。

一日がかりですが気持ちは良いです。四色とも色素を吸って、一晩放置して下水に水として流れていきます。一手間かけて染めてください。 豆汁処理はすばらしいです。


2009/05/26

 

大縞も結構素敵!!! さおり機を少し手を入れて色んなものが織れるようにしたところ、こんなに素敵なものが織れます。

良いものは織れないので機を替い買えようかと相談されて少し手を入れれば織れるのではないかとしてみたところ、見事に素敵な織り地が生まれます。

12/3かべ糸にウールの糸で半セルを織りました。幅が広く10m整経すれば、ゆうに糸が1kg位必要になります。

色糸が間に合わずウールを工房から引っ張り出して織った物です。

大縞も悪くないね・・・織り手は満足しております。良かった!


2009/05/27

 

苅安の液だし・・・

工房では苅安を手に入れることが出来ず友人に頼ります。毎年ダンボール箱で送っていただき感謝しております。昨年の秋に採取した「苅安」です。主人がこれは正に漢方だと言います。

良い香りをかぎながら元気が出るとご機嫌で液出しをしております。