2004/12/20
工房では織り機が一人ずつ違います。
一人で織れる、染めれるようにと工房に通っておいでなので、どうしてもうまく織り機が動かない場合は、二人で出かけていきます。今日は工房から高速に乗り継ぎ1時間ぐらいで行けるところでした。
色糸がこんな具合に枯らしているところを見るのは、つくばの吉崎さん宅以来です。遠方からおいでの方が多く、つくばにも時々お邪魔しますが私達以外の方の色糸を見ることも心が踊ります。こうして染めが出来上がるまで枯らしています。いつも見ることが出来て糸の様子も解り、仕上がるまではこのようにして枯らします。今日も掛かっていましたが、紫根も紅花もかけています。しっかり染めっていれば退色することは有りません。紫根、紅花は2~3ヶ月に一度水洗して干します。
紅花はしばらく黄水が出ます。少なくなってまた染め重ねます。
染織はたのしいですよ。
2004/12/18
今回遠方から生徒さんが、寒には来れないと二泊で染織にやって来ました。今回は紅花をしました。1kgで3kgの糸を染めました。糸と同量の紅花をすべて吸えば、良い色になって染織に使えます。
工房では1セット、糸1kg(紅花500g)で染色します。
今回は5年前につくばで紅花染めをやった時に差し上げた紅花染めの糸の持参されていて、見れば褪せる(あせる)ことなく薄いなりにしっかりと染まっておりました。
丁寧に染めること、やはりこれに限ります!
紅花も紫根染めも「豆汁」して染めれば、しっかりと染まります。
写真は今回染め終えて中和(酢水)に浸しているところです。
紅花が「寒」に染めることをお勧めします。黄水を抜くのに時間がかかり夏場は向きません。
冬の間に時間を明けて染め重ねてみればいかがでしょう。
2004/12/17
栗の色です。
整経をしている中、この色は何の色と思った。
栗の色。AL(アルミ)の良い色ですね。と言ってしまったが、だし金!!(苦笑)よく染まったわね~
栗のだし金媒染は鼠色。
「銀鼠」が有名なのですが、でも良く考えれば自然からいただく色ですから、この色があっても不思議ではないことです。この色を有るがままの色として受け入れるべきでした。「栗の色」に申し訳ない!!!
自然の色はこんな具合に不思議さが詰まった贈り物です。
今回も良い「縞」いただきました。
管に印を
工房では素材、撚り、番手と「縞」の中に交織しています。
同色で番手が撚りが変わると染織中非常に困ります。
管にこのように印を入れて使いますと便利です。
小管にも同じようにして使います。ほんの少しのことが染織をスムーズにしてくれます。
2004/12/16
シルケット加工糸を使っている方がいますが、木綿に化学処理をして艶を出した糸です。この糸を使う場合、草木染めであっても染まりは化学染料の様な発色をします。染まった糸ですぐに織れるといっても糊をして使った方が良いです。この糸は糸と糸がくっついて(ねばる)のです。非常に扱いにくいです。
染まってすぐ使える糸を一度湯で洗い、のり付けをすることをお勧めしますよ。
また手織りには生地糸から染めた糸をおすすめします。
2004/12/15
工房に入って来て皆さんがまず驚く事は、一ヶ月2回の稽古で糸が8kgになることでしょう。
一体どこに干そうか、考えあぐねる方もみえます。
どうしてこんなに糸が要るの?二人工房は「豆汁・割り染織」をします、学ぶところです。入っていきなり織りはしません。
まず、糸を染める事から入ります。すべての糸に「豆汁」を(セルロース系)して染めます。糸の染め上がりに1年を要します。1色500gで4色一度に染めます。そして豆汁は一度に2kgします。藍染めと煮染め用に2回ほど一度に4kg、藍を染めながら豆汁をします。木綿は1反840g使います。
織り始めればなるほどと解って頂けます。遠方からやってくる方々に染めたと言う実感を感じて欲しいと思っています。
少しずつ色が染まる喜びを感じて欲しい。巣立って行くときに沢山の染めた糸をみやげにして欲しいです。織るには色糸が必要ですよ。自分の手で織れて、染めれる様になって巣立ってください。
2004/12/07
豆汁糸の染色は良い!!!
シルクやウールと同じ、色素の吸いをします。!!!
久しぶりに少ない糸同士を寄せて染色しました。
すべてが少しで染めをすると無駄が出るので、工房では一色、1単位500gで染色をしております。
今回は豆汁をした木綿糸とシルクです。
やはり豆汁は良いと言うことです。
同じ初回ですが木綿糸が濃く染まりました。
シルクはたんぱく質を持っていて染まり良いものです。
そのため色素の吸収も速く同じもの同士で染色しなくては、色素の吸うスピードが異なると染まりが悪いものが出ます。
今までこんな組み合わせで染色をしませんでしたので、結果が分からずびっくりしました。
色素の吸収が豆汁をした木綿糸の方が先でした。
しかしシルクは綺麗に染まっております。
豆汁糸もしっかりと濃く綺麗に染まって嬉しかったです。
豆汁糸もシルクとウールと同じ染まり、色素のスピードも同じだと考えて良いと思います。
そしてもう一つ・・・
シルクはよく染まるから楽!!回数が少なくて良いと聞きます。でもそれは違います。
どんなに豆汁糸が良いと言ってもシルクにはかないません。
丁寧に染色すれば堅牢度もよくすばらしいものです。
これで回数と割り染色をすればすばらしいです。
何年経っても色あせる事が無いといっても良いほど、すばらしいです。木綿糸はやはりどんなに回数重ねても、これで完璧と言うことはありません。
しかし、木綿は暮らしの中に溶け込んでいる糸、素材で、すばらしいものです。こよなく木綿の素材を愛でています。
2004/12/04
工房では経糸セットをするときにはこんな具合にしております。経糸を張る時ムカデなど方法がありますが、経糸を細かく結びセットしますと糸と糸の間が空かないで、すぐ織り始めることができます。参考まで
2004/12/01
染織のみならず・・・失敗はバネ、継続は力!!
染織のみならず、物作りには失敗はつき物です。
思えば失敗に見えるものがそれをバネにすれば、失敗ではないのでは!自分の身体を通して生み出すもの。
体調に良い時、悪い時、それに乗れない時など色々あります。
織りに入ると毎日少しの時間でも織ると言う事が大切です。
冬に入ると豆汁の乾きが遅くなり、今からの時期は豆汁をするには適しません。染めの重ねに力を入れてみては!!
2004/11/30
一反織り終わりに近くなると、糸を整えていなかったりすると織れない部分が多くなり、今になって経糸を整えたくなり、整えに糸を解くとテンションが揃わなくなり・・・終わりまで逆に織れなくなります。つど都度糸は丁寧に整えて織りましょう。
生徒さんから「何度も失敗して嫌だわ」と声を聞く。
分からない事は工房に来ている間に解消して、織る度の何かしら疑問を抱いて失敗して・・・。一つずつバネに力にして染織をし続けていただきたい。じき一人で染織していくのだから。
2004/11/25
手紡糸の赤・・・豆汁をして重ね染めした糸、色です。
手紡糸は良く染まります。
手紡糸で織れない人の為に単糸やスラブを使いますが、やはり手紡糸には勝てません。
手紡糸を使用する場合しっかりと撚り止めをして豆汁~染色をしましょう。撚り止めを丁寧にしないと染まらないところが出来て絣のようになります。 藍染めは特に注意です!!!
2004/11/21
工房で作業をしての残液です。染め液や媒染液・精練液など一緒にすると、こんなにはっきりと液が分離します。
分離した液をろ過布でこして液とに分けます。
ろ過布に残ったものは、乾燥させて燃えるゴミに出します。
自分でできるだけのことをして、できるだけ海を汚さない染織をしましょう!
2004/11/19
今日から3日間、和「なごみ」の会員の方の指導に入る。
今回の紫根は2回目で1キロの豆汁糸を重ね染めです。
先回も500g、今回も500gで1キロの糸を1キロの紫根で染めた事になる。
回を重ねても時間を空ければ色は入っていく。
先回から一年、枯らしていた糸を水洗することを忘れ、工房に持ってきて水洗してみた。
糸についていた顔料になっていたものは出るけれども、色水は出なかった。しっかりと染まりついていた。
染色は手間をかけて丁寧にすれば、絶対に色は糸に移行してくれます。豆汁は良い!
藍にも紅花にも紫根にも豆汁は良いです。
豆汁はやったがムラに成り、あれはダメだと良く聞きますが豆汁は良いですよ~。もう一度やってみませんか。
2004/11/18
こんな記事を見ました。
経糸の残りでループを作りました
私が何かにループを付けたいと思ったときには、まだ織り機にかかっている経糸の残り糸を使うことにしています。
私の方法ですと、経糸の一本、一本で作ることができます。
開口を作るにも、幅を決めるのも簡単明瞭で、必要な本数だけを使うことができる利点があります。
私の方法が皆さんのお役に立てばと思います。
VAV/1985/2より
私は指導する時、自分もですが、経糸の残り糸は結び糸にして「やたら織り」に、また撚り掛けをしてちょとした「紐」に利用しておりました。しかしこの記事をみてなるほどと思い、皆さんもお奨めしたいと思いました。
工房では「縞」を織っておりますから、いろんな縞のループ、テープが出来ると、楽しみが一つ増えました。
織り方は写真を参考に織ってみてください。
2004/11/17
工房では糸は通常使うものは糸を作っていただきます。
そうすれば糸質も性質も使っていれば分かってきます。糸は染織する人にはとても大切です。
糸に遊ばれず糸を使い切るためにはいつも使っている糸が必要です。
事故で染織が出来ない今、本を見ているとラグが織りたくなりました。
マットやラグは経糸を多く使います。なかなか気に入った糸が見つからず・・・糸を決めればスイスイと楽しく織りが出来ます。糸がそのつど違えばサンプルばかり織ることに成ります。
糸探しは大変ですが楽しいです。同じ番手でも紡績で、撚りで柔らかく、硬く、糸質がかなり違います。
撚り数、撚り方向など考えればまた良いものが生まれます。
2004/11/16 絲
ふたりごと2004/08/06でお話しした生徒さんの作品です。
4月から今日まで半反の裂織を3本織りました。
奥様が一度見てやってくださいとのこと、見ました。
すばらしいの一言です。裂織を見てますと彼が織り機に向っている姿が浮かびます。一段一段心をこめて織り込んだことが・・・。
彼には何も指導しておりません。奥様の染めを手伝っているだけでした。
突然裂織がしたいと言いますと奥様。管に糸を巻いてやって来ました。
二人で整経をやっている姿は良いものです。見せていただいた裂織は一枚一枚どれも良い!!!初めて織ったものとは思えません。
織りも丁寧。色使いも良い。図面を起こして織ったものでないそうで、心意気が感じられます。
その中の一枚を作者に許可いただいて載せました。
二人静かに織り機に向っている暮らしも良いですね~。
彼の作品は来年の常滑屋さんでみれます。
2004/11/05
ラグを織るために求めた糸です。
よく工房では、普段使用の糸は紡績工場で専用に糸作りをしていただきますが、たまに使用する糸は必要なだけ求めます。
すると綛円周1.55㎝で200~250gもあり、とても扱いにくく困ります。
そんな時に綛を2~3ヶに割るのです。
また1.55cmもあると綛くり機に上らず困りますので、皆さんが使えるよう綛返しをします。
糸使いに成れない人は糸に遊ばれて困ると聞きます。
糸はとても正直で丁寧に扱ってやれば、遊ばれる事なく先に進む事ができます。
ポイントはその都度糸をクルクルと捌いてやる事です。
これ本当!!!
面倒がらなく糸捌きをして糸と関わってみてください。
ちなみに工房では糸綛円周1.40cmの50gです。
この糸を精練、豆汁して染め始めれば使いやすい円周に縮み、ほどよい綛円周になります。
糸を綛上げされるとき一度試してみてください。
写真のように綛上げする場合、少し山にしてはまた隣に山を作り進んでゆきます。
あまり山を高くすると、染色に扱いにくくなります。
程よい山にして進んでみてください。
2004/11/02
染織関係の本を読んでいますと、北欧は「組織織り」の文化でありそれに相対して日本は「縞」の文化にように思います。
素材はウールを基調にシルク、麻など豊富につかってあります。
ラグ・家具(椅子地)・洋服地など、その使用方法は多方面です。
日本はもっぱら着物地に使用していますが、どちらも暮らしに溶け込んでいます。
木綿が庶民にいきわたる時代は、江戸からでそれまでは麻が主であったように感じられます。シルクは上流階級のものでした。
外国の書物を読めば読むほど「縞」が織りたくなります。
「縞」は素材や撚りなど工夫すれば奥の深い織り物だからです。
今は科学の力で大豆、ミルクなど何でも糸に出来る時代です。
見方を変えれば面白い織物が生まれるのではないでしょうか。
「縞」をいろいろな素材で織ってみるもおもしろいと思います。
2004/10/25
工房では2/2綾織りの組織をして皆で織っておりますが、巣立って行くときに持たせるサンプルです。
各自、組織を描いて、色鉛筆で塗り、織っていきます。
これは自分の力になります。
綾織りは是非組織を起こして織ってみると良いでしょう。
2004/10/23
バックを見つけました。
若いお嬢さんが持っておいでの物を撮らせて頂きました。
織り手の私が感じたもの、今回も色は赤です。
どう織ってみようか。同じものを作っては面白くない。
織るには地をしっかりとしたものに。
色は赤を基調に。柄はオーバショットで花柄。
ここまで似せることはないか。(苦笑)
裂織りでも良い感じですよねぇ。
染織できない今は、見て感じる事を楽しむことにしています。
冬に向ってゆく今はウールでも良いなあ。
どんな小さなことも、積み重ねの染織。
少し角度を変えて考えるも良いと、分野の違う染織も全てが勉強です。
染織はやればある程度までは誰も進めます。
創作、物作りは発想、展開、工夫です。
磨きをかけるは、どう感じるかではないでしょうか。
2004/10/20
今染織は出来ませんが、いろいろ考える事は出来ます。
工房は主に「縞」を織っております。
それでも生徒さんは組織織りが織りたくて、間に入れて織っております。
組織織りをするには、組織が理解できた方が良いと思います。
織り機によって織れるものにも限りがあり、膨大な組織がある訳では無く、一つの組織を如何に織るかは織り手次第です。
手にした組織を何にするのか。
素材、撚り、色は?と考えれば色々考えられて楽しいものです。
いただいた「刺し子展」のハガキよりこれを見て、心を動かされました。
色・・・暖かい赤。赤であって濃淡 凹凸の生地。
これを織りにするにはジャケットですから半セル。
経糸を30/2木綿、横糸2/48ウール写真の近いものが織れると思います。
こんな見方をしてもいただいたはがきが生きますよ。
あなたはこのハガキどのように見ますか。
2004/10/13
今年は台風が多く、各地で上陸するたび被害があります。
一度に降る雨の量の多いので山の木々も雨を吸いきれず、災害になるのでしょう。
私達は八風に縁あって、庭にある木々を自然に戻したいと、早速クヌギ、コナラ、ナンキンハゼ、赤目柳、銀木犀、冬青、栗、百日紅、豆柿などあるものを下ろしました。
元気に大きく成って欲しいと思っています。
植えるは、落葉樹が良いです。堅い木ですと薪にもなります。
木々はすべてが染料になり、大切に世話をすれば答えてくれます。矢車附子は山に沢山あります。
八風にあるものだけで染織する事ができ、今からが楽しみです。
じき染めれるように豆汁をして待っています。
今は秋晴れが続き良い天気と言うところですが、今年はそうは行きません。豆汁が出来る時にしておく事が良いようです。
豆汁して一ヶ月以内に染色をしていますが、長く一年経ってますと言わなければ少し時間が経っても重ねますので大丈夫です。
昨年はとか、今まではとか、言えない天気に成っています。
良い日を見つけて豆汁をしましょう。
写真は竹の糸一回目です。
2004/08/13
八風の松くい虫の伐採をしました。
倒れるたびに冬青(そよご)が被害を受け少し残念。
と言うのも冬青があるから、ここを決めたと言う経緯があるからなのです。
でも考えを変えてこれを生かす事を考え、葉は染液にまた枝を蒔きにして灰を作る事にし、帰って早速液出しをしました。
工房中冬青の良い香りに包まれて入れて嬉しい限りとなりました。良い色いただき・・・。
2004/08/12
今年の夏は本当に暑いです。連日39℃に工房はなります。
ガスを4基動かしていますので、暑いあつい!!!
染液も量が半端ではないので液出しが大変!!
工房の庭では干せなくなり、ガレージで干し始めました。トホホ
何年か前に茨城の友人に戴いた栗皮です。色が出ますね・・・
2004/08/06
竹の繊維:竹の糸
竹繊維は真っ白で艶があります。
どんな糸もそうですが、糸の精練:豆汁等の糸干しを眺めるのは良いもの。
竹繊維は豆汁をしても分からないほど柔らかで、染織すれば竹繊維独特のシャリ感が出て良いです。
いつも申しますように竹糸は他の糸の対して染め付きが悪く手間が倍かかります。
しかしかかっただけ糸が愛おしく、縞に織れた時の喜びも倍増です。
2004/07/28
稽古に入ると一日でどっさりと染めますので、藍染めの場合染めてはラベルを付けていかねば、色が入りだすと番手や単糸に・・・これまたやっかいでスラブか単糸か分からなくなります。
人によってこんな工夫をして染めてお出でです。(写真左)
これは単糸を捌いているところ(写真中央)ですが、このようにして竿に糸をかけて一綛ずつ糸捌きをしましょう。
こうすれば糸はきれいで特に単糸は精錬するとウエーブが出て捌きにくいです。
糸を捌くことは染めをする上にとても重要です。
<<竹繊維の竹の糸>>
今とても話題になっている「竹繊維、竹の糸」です。この素材のみで作品作りをしておりますが、竹は木綿の何倍も染めに時間がかかります。
それには工房で染織している豆汁をした上で染めるが一番と思っています。
糸の強度もまた竹のシャリ感も出てとても好きです。
竹の糸で縞を織り続けていますが、一点一点が楽しく染織をして竹の素材のすばらしさと縞の良さを知ってほしいと活動しております。
「名博」もおわり来年は愛知万博の年・・・海を汚さない染織をしてゆきたいと協賛をいただき、来年に向けて染織し始めました。是非竹繊維の竹の糸、縞を見にお出かけください。
2004/07/27
これは手紡糸の糸を染め重ねて、一年余りで今回で染め上がった糸です。
毎回吸うであろう色素で今回で40~50㍑を吸い尽くして生まれた色です。
毎回これで良しと思う色を求めて、努力&工夫して今回生まれでた色です。
どんな縞に織れるでしょうか楽しみです。
今日の大津からお出でのご夫妻、おめでとう。お疲れ様でした。
2004/07/20
名博も終わり工房も来年に向けて動き出す!!!
今年小六、中二の姉妹が入門して来た。
学校体験での指導はして来たが、糸から織りまでじっくりと指導することはなかった。染織は根気!!!
今の子達にどれ位有るか心配であるが熱心であるので、次の世代に伝えることが使命と感じている私たちも出来る限り、伝えたいと思っている。
大人と同じようにすべて自分の手で生み出す喜びを感じてもらいたい。
時間をかけてゆっくりと土曜日を利用して指導していこうと思う。
2004/07/11
たくさんの観覧を得て・・終了す。
会場に入ればセルの言葉に懐かしさを感じ、先達たちのほんの少し前の暮らしが蘇えります。
「小説の中に「セルの着物を着てと」良く出ますが、そのセルですか?」
着たことの無い世代の方から今回良く聞く話しでした。
かと思えば、どうしてこんなカビくさい事をしてるのか昨年と同じ方から指摘された。
二度と帰らない繁栄、会期中何度も足を運んで尋ねられた。
少し困った、が「懐かしくもあり、そっとしていて欲しい」のではないか。
尾州の織物は、素材は麻から絹、ウールそして竹の糸まで最先端を走り此処まで来たのである。
先達が世界からノウハウを学び、工夫して産業を生み出し繁栄してきたが、
今は賃金の安いところにノウハウを教えて産業を持って行かれてしまったように思われる。
一軒ずつ消えてゆく・・・資料が道具が共に消えてゆく。
工房でしたいけれど染織を資料を見せていただきながら今まで通りのセルを出来ない。
なぜならセル仕上げができない。草木で染めると処理すると色が消える。織り幅が足らない。
W幅には織れない。織れて90cmまで・・・
しかし織り続けたい。すばらしい縞。セル。半セル。絹綿などいろいろです。
今回セルの着物が好評でした。織り手の主人も気に入り、毎年名博でやるかぎり織り続けようと話しております。
来年は「愛知万博」名博で出したものを一同に生徒さんと着物を共に展示してみていただきたいと思っております。
2004/07/03
久しぶりにパパのシャツを作る。
ようやく仕立ての良い人を見つけて、何枚か仕立てていただきました。。良いですねぇ!!!
主人も、とても着やすいと言い、気に入っている様子。
半反で出来るシャツ・パンツ・ベスト・長袖シャツなど・・・結構出来るのです。
売って欲しいと頼まれますが、高い買い物になるのです。
しかし10年はゆうに着れるので安いと思いますが・・・買うときには高いと感じるかも・・・。
私でも考える!!!でも喜んで着てくださる人が増えると嬉しいですね。
二人工房がまだまだ勉強中なので染織が忙しく、商品には手が出ないところ実情なのですが・・・苦笑。
2004/06/29
糸(シルク麻)少し太い糸です。
ファンシーヤーンですから染まりがいまいち、豆汁をして染め重ねてみました。
木綿と違ってこんな糸も楽しいですね。織りの回数を重ね、慣れてくれば素材などを
変化させて織るのもいいです。
ドラム整経をする方に・・・
ファンシーヤーンなど変化の富んだ糸、太い糸などは幅出し筬のところでは、回数にもよりますがしっかり幅を取ってセットするように・・・擦れます。
また縞立て本数も多くしないで、もりこみして整経をするようにすると、丁寧にまた糸が綺麗に整いながら巻かれてゆきます。何事にも一手加えて作業しましょう!
2004/06/24
縞立てですが、茶は8~10回。浅木は30回。
紺は5~60回。肌は5~6回と豆汁をした糸で染色をしたものです。
何回も重ねれば、深い深い色に仕上がり染まります。
整経に糸をのりづけは不要ですし、糸の扱いも楽です。
良く丁寧に染められた糸。糸も喜んでいます。
今度はどんな縞になるのかな~
2004/06/20
昨年蒔いた「ナンキンハゼ」の苗です。
こんな小さい葉でもナンキンハゼと解かります。
肌色と鼠色が染め分けれます。
樹そのものは若葉の緑に、秋紅葉の赤い葉、実は大きく黒い。
実がはぜれば中から白い種が付いて、四季を通して楽しめる素敵な樹です。
染めにも愛でるにも良く、しかし外路地に植わっていることが多く白き種まで愛でる事は中々難しいです。
そこで種から育ててみることにしました。
2004/06/18
ウールの工房博物館「テキスタイル館」に出かけました。
尾州ウールのいろいろな事が解かり、皆さんも出かけてみてはいかがですか?
館に入って見て、織り道具、糸の出来る工程、布の加工など詳しく、かつ説明を求めれば丁寧に教えていただき、織りを体験したい人には良いのではと思います。
絹染めについて・・・
「絹染めは簡単で1~2回で染まる」とよく聞きますが、いえいえそんな事はありません。
絹もしかり、木綿と同じ割り染色して重ねます。これは木綿より手ごたいが有る染色です。
丁寧に染色すれば、回数すれば木綿より退色が解かりにくくすばらしいものです。
染色はどんな素材でも丁寧に染めて使いましょう。
2004/06/16
「縞」は楽しい、また奥の深い模様です。
二種類以上の色糸を用い、素材・太さ・撚りなどの異なる糸を用いて織り成す織物芸術です。
「縞」を眺めているとそこには物語りがあり、今夜は家内と話しが盛り上がることでしょう。
「忘れられた日本の故郷を思い出します」
「縞展」をするたびに戴く言葉です。
今年も7月6~11日名古屋市博物館で開催します。
2004/06/15
毎日入れ替わり立ち替わりして染織をしていますが、一ヶ月藍の糸を洗わなかったと言う生徒さんがみえまして、それが今洗っている生徒さんです。
毎回毎回こうして灰汁が出ます。
この灰汁が邪魔なのですが、また大切でもあります。
灰汁が有ることで色が保たれ肌にも良いのではと思います。
また灰汁があることで色はくすみ、私は灰汁の色を見て洗いの時期を決めています。
洗えども出る灰汁。
この灰汁が無くなって古布は藍が冴えているとよく言います。
2004/06/08
先日八風で採取した「赤麻」です。五日目の液です。
香りから言えばもう二~三日待っても良いと思いますが染めてみました。色はワインレッドです。
今から山荘工房で採取できるかと思うと幸せです。
今年名博のテーマ「セル」・・・生徒さんのセルサンプルです。
お出かけください。
尾州の縞のセル。少し前まで町の中は機の音でにぎやかな活気のあるところでした。
セル着尺を手機で織る人は少なくなりましたねぇ。
豆汁の目広げ
染色前にこうして糸目を広げて染めに入ります。
少しの時間水に浸している程度ですと、色素は糸に中には
入れません。
しっかりと目をひろげて行います。
今年も梅雨に入りましたので豆汁は一休みして織りをしましょう。ジメジメ梅雨はいやですが、良いことは麻や竹の糸を織るには良い時期だということですねぇ。
2004/06/07
染織には一人でやって行こうと思うと結構大道具小道具がいる。いつも思う事ですが、今から稽古を詰んで染織をしようと思う
なら、また道具を揃えていないなら・・・、学ぶ場所で指導を仰いだ方が良いですよ。
あれを貰いこれは良いからと買い・・・、知識が加わってくるとどれも中途半端である事が多々あるように感じます。
道具は自分の一部に成ってこそ良いものな訳で、道具は染織を辞めるまで大切に使うものですから、よく考えて求めてた方が良いと思います。
2004/06/04
これは松くい虫にやられて枯れたものですが、切り倒したみれば樹皮の美しいこと型彫りが出来れば良い型染めが出来そうです。
縞には色合いをいただいてはいかがでしょう。
濃淡のバリエイションにしてみたいと思います。
思わず美しく・・・見直しました。 自然の中の色は無限です。
2004/05/31
八風の赤麻(あかそ)をいただく。一面赤麻何ですよ!!
何回もいただけるので、今回必要だけ採取しました。
帰って早速液出しをする。
冬青同様酸化して染めれるようになるので5~7日ぐらい置いて染色する。冬青同様ワインレッドになれば染め時です。
2004/05/30
工房では染織の素材は自由にしていますが、大半の生徒さんが木綿を染織します。
それは工房の展覧会では、現在素材を木綿にしているからでしょう。
シルクは自分で持ってきてもらっていました。
今、本格的にシルクを扱って行けるように糸の入る経路を確保しました。
良く聞く話しで、シルクは染めが楽と。
でもそれは違います。
染色はどんな素材も割り染色の重ねが大切です。
シルクほど手を掛けてやれば掛けただけの色が染まり、こんな良いものはありません。
木綿とシルクと、素材を比べる必要は無いと思います。
自ずから用途が違います。それぞれ良さがあります。
ただ言いたい事はシルクも木綿同様、染色は大変なのです。
2004/05/17
最近染材に異変が来ているようです。
と言うのも意外とイラク付近で取れるものが多いのでしょうか。今回の戦争が始まってから入手しにくくなっています。
今回はインド茜、工房では何回も液だしをします。
干してはまた使います。
だから粉末は不経済ですし、何度も液が出るので勿体無いです。皆さんは如何お使いですか?
茜一つでも無限にある訳ではありません。
私たちはヤマモモなども何回も出して使います。
ヤマモモの何度も出した液はきれいな黄色が染まります。
試してみてください。
今回ようやく一箇所で根を探しました。
探していただいた事を感謝して使わせていただきます。
ありがとう
2004/05/14
今年も別れの時が来る。
何人かの人が工房から巣立って行く。
いつ迎えても寂しいものです。
これっきりの人は無いけれど寂しいものです。
今回三年で巣立っていかれるかたもみえますが、指導する側はこれで良しと言う事はありません。
いつもこれもあれもと後悔ばかり・・・指導不足をごめんなさい。ゆっくりと続けてください。門出にスミレを添えて!!!
2004/05/12
此処まで来たか・・・工房の裏手で糸を干しています。
少し雨が多く、毎日の稽古になると生徒さんの糸が乾燥しなくて困ります。
家の前に後にと、いろいろ干し場を作り干しています。
乾燥はなるべくダラダラと干さないで、短時間の乾燥する様に工夫が必要になってきます。
2004/05/08
この糸はシルク麻で、シルク98%と麻2%の混紡です。
シルクが多いので染まり具合は良いと踏んで染織に入った。
しかし何度染め重ねても染まりが悪く、思い切って豆汁をした。やはりこれなら良く染める。
すぐ濃くなるので、薄い薄い液で染め重ねる。
今回は麻も入っている事でもあるし、豆汁は正解でした。
生徒さんが経糸に木綿糸とこの糸で縞を織る。
出来上がりがとても楽しみです!!
2004/04/23
紫根は染めるその日に液出しを行うため真夏以外を染めることが可能です。しかし冴えた色となると、あえて温度が上がっている時には避けるほうが良いでしょう。
冬、空気の冴えたころに染めをすることをお勧めしたい。
豆汁を行った糸を用いて染めると色素の入り方が違います。
これは木綿糸です。
お分かりになりますでしょう。
紫根も重ね染めをしますが、しっかり枯らして⇒水洗い⇒染める の繰り返しで、染めていきます。
2004/04/16
4.16~21川越にて展示会。
野守にて「縞展」始まる。
この会場は「川越唐桟」の方にお世話いただいて、開催しております。
展示の様子はこちらからご覧下さい。
「豆汁」にも理解をもってやっていただき、毎回お目にかかれることを楽しみにしております。
是非お出かけください。
私どもは居りませんが何かを感じていただき、豆汁をしてみて頂ければ幸いです。
2004/04/05
2004/03/06~04/05
山梨県清里「萌木の村」ホテル ハット・ウォールデンロビーで「縞展」開催しました。
一ヶ月展示させていただき木綿の着物を片付ける時、布団干しをした感触を覚えました。
空気をたっぷり吸って気持ち良い・・・と、着物が喜んでいると思ったのです。
反物になって、風を空気を通してやることが大切です。
着物を着ていたとき、洗っては着て風を通して着ていました。
タンスに寝かせていてはかわいそうです。
糸は反物に成って初めて命をもらい、着てはじめて喜びが湧いて参ります。
手元に有る糸を手間をかけて染織をして暮らしの中で生かしてください。
遠方からお出かけありがとうございました。
2004/04/02
今日は訃報が入りました。川越唐桟の東村さんがお亡くなりになったそうです。
川越唐桟の復元に貢献された方で、まことに残念です。ご冥福をお祈りします。
明日という日は無いと言う事は・・・、私達二人も人のことではありません。
いろんな事を後回しにしないで今出来る事を今しておきたい。
次世代に伝えておきたい事は一人でも多くの方々に伝えておきたい。
それが、今生命有る者のやるべき事かと二人静かに冥福を祈りつつかみしめている所です。
2004/04/01
豆汁には良い季節が来ています。工房では「竹糸」を毎日まいにち豆汁をしてます。
出来る時に毎日です。
やっぱり豆汁は良いですよ~!!
慣れてくれば初めの豆汁液を絞って干す。
しばらく糸を捌き、どちらかと言えば二回目の液で干した時の方をしっかりと、短い時間で糸捌きを行うことが大切でしょう。
慣れれば濃染などしなくて良い色に染めることができます。
豆汁は基本的には絹はしません。紫根染めには工房ではいたしますが・・・。
染めが全然違います。これもここも試みてみる価値はありますよ。
2004/03/20
緑色は染めにくい色の一つですが、この竹糸は浅黄を重ね染めして、黄色(刈萱。小鮒草)重ね染めしました。
少しムラに成り使わずにいました。
しっかり時間をおいてから今回刈萱で染め、綺麗に染まったので時間をおいて使いたいと思っています。
この様にムラだから・・・と諦めないで染めてみてくださいね。
2004/03/19
もうじき菜種梅雨が来ます。
天気と相談しながら出来る時に豆汁をしておきましょう。
工房では所狭しと干しまくっています。(苦笑)
2004/03/18
娘の付きで添い出かけたところに、こんな建物があったのでいただきぃ!!
写真では解かりにくいですが、色レンガでデザインしてあります。
緑系茶系の二本ありました。糸の色の参考に私は戴きます。
いつもメモ書きできる様にしているといいですよ。
2004/03/17
毎回二名で稽古をしてます。
一人が染める量が煮染めで2キロ。
藍染めでは6~8キロは染めます。
工房内の干し場の工夫をしなければ、到底染めることも干すことも出来ません。
今まで主人は外から見えることを嫌がっていました。
今日初めて染織をしはじめて外から見える場所に干しました。
糸干しは珍しく通る人の目を引いています。
そして糸を干してある風景は良いものだと私は思います。
2004/03/16
手紡糸の糸をしばらく時間を置いて重ねをしました。
しっかりと色は定着して本当に綺麗です。
豆汁は凄いものですよ。
手を掛けてやれば確かな手ごたえが返ってきます。
草木染めはこれが本来の染め方だ!!!と確信します。
手を掛ければ色は答えてくれます。
2004/03/15
今年も豆汁に最適な時期が来ました。
今日は良く晴れて少し風があり、良い豆汁下地が出来ました。
豆汁のやり方を「平成の縞帳」に書きましたが、丁寧に書いてるつもりだったのですが、工房で一緒にやってようやく理解出来ると聞きます。
自然相手です。××のさじ加減と言うようにちょっとしたことで微妙に出来あがりが異なります。
糸の絞り加減はそれぞれ違い、二度ですべての豆汁を糸に吸わせるので一回目、液が沢山残れば、糸の乾き具合をしっかりさせて二度目を満遍なく残り液に付けて、パラパラに糸をすること。
風のある日は乾きが早いですね、一回目より二回目の方を糸捌きに注意は要りますよ。
豆汁を自分のものにすれば、こんなに草木染めが綺麗にしっかりと染まるものかと驚かれると思います。
かならず綺麗に付きますから、諦めずにやってみてください
2004/03/08
少し変わった「糸車」を見つけて、写真を写させていただきました。
この糸車の作り手のこだわりを感じました。
一般的な感じと何となく違いがあるでしょ?
2004/03/06
とても重要なことです!!
染材は樹皮、根、枝などは何度も乾燥させて使用すると、ここでもお話しています。
今回こんなことは初めてですが、使用後は工房ではステンレスのザルに入れて乾燥させます。今回はチップなのでステンレスボールに入れて乾燥させました。
写真の様にボールが円く成っている為、熱を集めてしまったのではと思います。これに似て藍染めの小さい布染めの時、乾燥させにくい為ボールに入れて乾かすことがあります。これも燃えますので注意は要りますね、陰干しがよろしいと思います。
そこでチップ、粉末のものは手早く乾燥させたいため、最初は紙に広げて干し、その後ボールに入れても陰干しを薦めます。
今回二日ほど留守をして帰っての話しで、中がすべて灰に成っていました。本当にこれは危険です!!!!
染材も大切にして最後まで使いましょう。
2月26日
紫稲
今日、紫稲をいただきました。久しぶりです。
先回までウール染めで緑をいただき、よい色でした。
たくさん合ったウールも昨年の常滑屋で販売を終了しました。
今回はそれ以来紫稲を分けていただけないかとお願いしたところ、分けていただけて、また染めてみたいと思います。
緑に染まった布を少し欲しいと言われているので、染めてお礼したいと思っています。
でもこんなに紫色なのに・・・なぜか緑なんですよねぇ~。
2月25日
2月17日にもスオウ染めについて載せましたが、写真は原液量と糸重量を同じ状態にして2回かだね染めにしたものです。
濃目はもめん糸、淡目は竹糸です。
両方とも他の染材と違い色素が液中に残ります。
その後の作業(他の布や糸に色素を吸収させることに一手間)が要ります。
退色しやすいのでスオウ色として、他のものを重ねて出来上がった色をまたお見せいたします。
2月19日
リズムの取れた管巻き
工房に来始めて4ヶ月目に入り、3本目の縞の整経をしている方の管巻きです。
1本1本考えて巻いてあり、なかなか芸術的です。
こういうところでも性格は出るなぁ~と思います。
1本1本、丁寧に素敵な織りをしています。
参考までにこの方は工房に入会する前に、織りきれないほどの化学染料の糸を買い込んでいました。
草木染糸を使用し始めると前の糸はお蔵入りになるので、試し織りにしているところです。
2月17日 スオウ染め
スオウの染材はチップとして染料店で求めることが出来る。 1.5㌔のスオウを2回抽出して原液にする。
今回は竹糸の豆汁したもの500gで、1回目の染色をしてみた。
竹糸は豆汁の枯らし時期にカビや虫に食べられて傷んだ糸を試し染めしてみた。
①スオウのチップ。
抽出後乾燥させて
次回また抽出の為保存
②染め
竹糸500g 原液4㍑+水適量
(再度染液に戻すまで糸の色はオレンジだった)
③再度染め
媒染終了後染液に戻すと、初めて赤い顔を見せる。
30分後染色した後、一晩放冷する。
(木綿で同じ状態で染めると1液は透明になる。竹糸は色素が残る。)
④媒染液の様子
媒染中は糸はオレンジ。1液と同じ赤にはならなかった。
この色を見ると、排水にこのまま流せないので、ウールの先媒染に利用する。
竹糸はどんな色でも木綿より染液の吸収が悪いので、後の作業がより多く手間が掛かる。
⑤染色後
染色終了後、放冷に入る。
2月16日
「豆汁した糸の茶色」
昨年一年かけて、生徒さんの一人が2月頃豆汁して染め始めました。
写真の色は【9回染】したものです。
3回目くらいまでは肌色~薄茶色。薄茶にもおぼつかない茶色でした。
しかし4回以降しっかりと毎回吸う色素が重なり合って、とても良い色になります。
重ねにピラカンサ・冬青(そよご)・萩・ドウダン・赤麻を、その間にクヌギ・栗を入れてしっかりとした赤茶になりました。
2月14日
初染めも終了して、みんなが整経に入りました。管巻きが素晴らしく巻けています。
半反で1本これくらいと計算して巻きますが、立てて整経する場合は写真のような感じで 管の端は少し中央部より細めに巻くと仕上がりが良いですよ。
この方はまだ何ヶ月かの方ですが、初めての藍染め三色を使って縞を織ります。
1月30日
「無駄の中の宝」と言う話を聞きました。
常々染織をしていて「あそびや無駄」は大切だと思えます。
見ているとその行為が無駄に見え、失敗と見えることが多々あります。でもそれを蓄え引き出しに入れる事は、とても重要だと思います。また人の知恵をいただく事も、大切だと言う事も私にはよくあります。
染織はだけではないかもしれませんが、これをやり過ごしては通れないことばかりで、どのようにクリヤーしょうか考える時「あそび、無駄」の引き出しを開ければ解決する事が多いようです。
恐れず楽しんで沢山織ってみてください。すべて自分の力になります。工夫と努力は進歩のはじまりですね!!
1月29日
今年は初染めをする人が3人居ますが、染色は大きく分けてネズミ色、茶色、卵色がどんな樹木からも染まります。
藍、紅、紫はその染材からしかいただく事が出来ません。それゆえに抽出、染めが難しい。
この三色を染めた時、特に初めての時は感動のようです。
工房内で愉しい声、感動の声を聞く事が出来、今年も工房の神様良い色をいただけそうだと思います。
今年も一人ひとりが健康でたのしく染織できますように祈ります。
1月28日
今年も紅花、紫根が良い色にいただけました。
毎回思いますが、紅花は化学の世界と思います。
(アルカリだ、酸性だ中和だ)と、微妙に手加減で色目も変わります。
思うに本当に豆汁は良いです。
木綿、シルクにしても1キロの糸で、紫根500グラムでこの色です。
3回に分けて染めました。透明ですべての色素をいただいた事になります。
紫根は季節を問わずそめることが出来、濃い目に紫根、紅花を染め筋糸、キリカエに使ってみてはいかがでしょう。
1月25日
滋賀県にある(財)高島地域地場産業振興センターの高島綿’Sクラブの方々が、工房見学にお出でになりました。
綿について学び、和綿を栽培して、育てた紅花で染織を試みておいでです。
私どもも今度一度行かせていただきます。遠くからありがとうございました。
1月21日
四回目の紫根染めです。良い色です。
素材はシルクで、豆汁をして染めています。
豆汁をしている、いないで染まりが全然違います。
しかし、シルクの豆汁をしますとしなやかさが無くなります。
そこで今回もお聞きした話し「柿渋のゴワゴワを米のとぎ汁でリンスするとゴワゴワ感が少なくなる」と聞き、豆汁糸にして、少ししなやか感を覚え、何度かしてみると良いのではと。
なるほどぉ!!!
2003年の二人工房の縞帳がようやく出来ました。
それぞれ参考にしながら!!!
いつも思う事ですが、縞はこんな小さい布で見るのと、展覧会見る、織ってる時など感じ方が全然違います。
何時織っても『縞』は奥が深いです。
1月20日
紅花染めが終わり、紫根染めに入ります。
紫根を丁寧に水洗して古方では、湯にてもみだします。
媒染は先媒染して染色します。
木綿500グラムに一回同量の紫根で染めます。
手間は掛かりますが良い色に上がります。
500グラムの糸(木綿)で3キロの根は必要です。
紅花も紫根もはっきりといた色まで染めて、筋糸に使うのも良い効果が出ます。
1月18日
気持ちが落ち込みました。
また『竹の糸』がカビています。
大切なもなので慎重に扱っておりましたが・・・。
どうしてなのか分かりません。
糸切れはないのですが、カビであろうところは白く、豆汁が取れて柔らかくなっています。
豆汁をすると糸をたんぱく質のある糸たちと同じように扱う方が良いようです。
豆汁糸の管理に注意がいりますね。
1月16日
工房用のセル・サンプルは明治末のもので、色は黒、濃ネズ、淡ネズの三色が主流で縞が構成されていました。
色で時代背景まで、読み取る事が出来るようです。
これは凄い事と思います。
ちなみに大正に入ると濃淡茶が入り、かなり明るくなって来ます。
縞自体も大きくなっています。
今回明治と絞りますと色糸に困りました。
と言うのは、化学のように黒は黒と言った具合いに染まりません。
そこでウールの織り元(鈴木様の残糸)を戴いて、色の近いものを織ることにしました。
2/60を40羽の筬でおりました。非常に織りやすい。
是非織ってみてはいかがでしょうか。
1月15日
紅花染めを始めて、寒入りさすがに寒いです。
冷たい水と向き合って生徒それぞれが液出しをします。
灰汁の入れ方でも、スプーン一杯とはいきません。
ここで色の良し悪しが決まります。
それぞれ今年も良い色を戴いたようです。
1月14日
今年も初めて紅花染めをする人が、3~4人います。
今日、三人でやります。(通常は二人)
自分で次回は液だしをするのだと思って、しっかり質問などしてください。
紅花は特殊な液出しと染色です。しっかり見聞きして、良い色をいただきましょう。
アルカリ(灰汁で出す)ことは薬品出しとは違い大変です。
何度もやって自分のものにしてください。
1月12日
今紅花の黄水抜きをしております。
毎年人数が増えて来ますので大変です。今6人分。
寒で水が一番冷たい時が良いのです。
灰汁の用意も必要になって来ます。
今回はこんなに灰汁に色が出て、これは使えません。
藍には良いでしょうが。ちがう灰汁を使う事にしましょう。
新しく灰を手に入れたら、かならず早めに出してみたり、試したり時間に余裕をもって染織をしていきましょう。
1月10日
おめでとうございます。 初染め準備に入ります。
14日からの初染めには少し遅いかもしれません。
正月明けから二人ともひどい風邪を引き今も進行形です。
しかしそんな事は言っておれませんので、下準備に入りました。
冷たい水が堪えます。
どうぞ今年も素晴らしい色をいただけますように!!
写真は、黄水を抜くために浸している所です。
今日から14日の早朝まで黄水を抜きます。
写真は紅花染めの黄水抜き