2008年4~6月

2008/04/01

 

染めは水が命・・・

東京からの生徒さんの指導に今回は山荘を使う。

山荘の水は沢水です。水道の水とは違うとよく聞くが、本当に真水はすばらしい。紅花・紫根に続き今回の藍染めとしてみたが、色の冴えがまったく違う。化学かと思うほど澄んで綺麗である。

今回の藍染めのに使った液も他の水も全て持ち帰った。

それぐらい自然の中での染色には注意を払って染めて欲しい。


2008/04/02

 

染織した風呂敷・・・

テーマで「風呂敷縞」をして、工房20周年記念に生徒さんに風呂敷を分けた。今回山荘で指導した生徒さんが使っている様子を見て感激した。この風呂敷の見本は明治末のもので手織してあるものでした。使いこなしてある風呂敷を見た時、その見本風呂敷を思い出した。そのものを見ているように錯覚をしたほどである。

見本の風呂敷は時が立ちボロボロでしたが、温もりがあり「手織は良いなぁ」と思ったものです。見本は3枚で継いでありました。何とも良い気持ちがしました。使っていただけるものを織り続けたいと強く思ったものです。織り続けば何かが見えて来る様に感じます。健康で織りが出来ることを感謝して。


2008/04/10

 

竹糸を染める・・・

竹糸の道ができてからせっせと染め作業の毎日。

100kg近い糸を今から精練~豆汁~染め重ねる。これには時間は掛かる。友人が5年は二人元気で染織三昧の日々を過ごせると良く言ったものである。力尽きる時その言葉を頼りに楽しい少しきつい時間を二人で過ごす。是非今回の「竹糸に魅せられて10年展」を見ていただきたいと希望する「明治縞展」ようには巡回展までは気力で出来そうにない。

宜しければ名古屋へお運びください。


2008/04/17

 

藍染め・・・

生徒さんが巣立っていく時に藍液の作り方を指導する。藍染めは出来るだけ自分でやることは慎重に成って欲しい。下水の場所で染めること。藍液は出来るだけ排水しないこと。染める最中も絞る液を受けてタンクに戻す配慮がいる。

紺糸は落ちると黙認されている事が多い。色糸の要る染織では糸を染めなければ話しに成らないが、その染めをすることで自然を汚すでは本末転倒だ。ではどうすれば良いか?最大限に自然に配慮する思いを失っては成らない。自分の土地だから埋めても良いだろうという思いも良く聞くが、自然は途切れることなく繋がっているのだから自分の土地でも埋める事は良くはない。

染めは慎重に作業をしていく必要のある行程であることを決して忘れてはいけないと痛感する。


2008/05/30

 

豆汁糸・・・

12/3、少し太い糸を使って佐織機で織っている生徒さんがいます。なかなか思う布に成らず試し織りを重ねて、今こんな細い糸を使って織っています。糸は豆汁をして今5回目の色です。

工房では冬青を中心に茶を染めておりますが、5回の中に矢車や栗などを合わせて染めております。

堅牢度も良くて、素晴らしい色になっております。納得した色を染めていくと織りも楽しいですね~。


2008/06/04

 

豆汁糸はよく染まります・・・

竹糸が工房にどっさりと来て、指導の無い週はせっせと竹糸を豆汁して染めをしております。

豆汁して一ヶ月経った竹糸(開繊糸)を染めています。初回の色は茜。工房では豆汁処理と割り染織で染めをしております。今回染まるであろう色素を入れて染めるので下水を汚しません。

毎回液は透明で下水に流す。こうすれば、染材も無駄なく戴くことができます。手間と時間は掛かりますが、毎回色を確認しながら染めることが出来て良いです。豆汁をした糸が斑に成る事もありません。

ただ、豆汁糸は回数染めることが必要です。でなければ糸がゴワ付きます。その解消は重ねて染めること。そうすれば色は確実に染め付いてくれます。竹糸は木綿より回数が必要です。

豆汁をしても色素の吸いがよくありません。繊維に蛋白質無いので染まりません。

竹糸にはビスコース(バンブーレーヨン)と開繊糸の二通りの糸があり嬉しいです。

レーヨンと一言でいいますが、従来のレーヨンとは違います。竹糸は竹100%です。

織るもので糸質を替えればすばらしいものが生まれます。

写真は:竹糸の茜・豆汁糸の乾燥・藍染めの干し(梅雨の晴れ間を見ては糸を干す)です。


2008/06/05

 

太糸織り・・・

太い糸と細い糸を使った織物。通常の筬密度で差し込んで織れば、太い糸の結び目が筬を通過しない事がわかった。筬密度を粗くして、先回は緯糸を細い糸を使用したが、今回は太い糸を使用。素敵な織物に上った。何と重量が2kg越え、湯通しの作業がきつい。灰も多く干す事も一苦労である。でもなおさらジャケットにどうかと楽しみである。


2008/06/06

 

湯通し水は綺麗か・・・

竹糸しかり、どんな織物も通し水が汚いようでは良いものは提供出来ない。反物が上れば必ず自分の手で反物を湯通しする。すれば布や水の状態が確認でき出来映えが解かる。

豆汁した糸は織る時には糊はしない、しなくても楽に織れる。豆汁処理はとても良い作業。

退色も少なく、程好いパリっと感もある。反物を手放しても扱いが楽である。 豆汁をして染織することを奨める。良く豆汁は斑になると聞くが何事も回数です。自分のものにすればこんな良い処理はありません。しかし、割り染色と回数を必要とします。竹糸織りは良い!


2008/06/07

 

染材・・・

野ブドウの実が成り、秋に実が色づく頃に採取して液出しをする。

乾燥も利く。1本大きくなった「野ブドウ」があり毎年採取してためては使っている。生徒さんからもいただき、良く使う染材です。

液を出している最中とても良い香りが漂って幸せな時間です。今回は刈萱とも違うけれど良く似ていました。色も液が黄色をしています。

重ねれば素敵な茶に鼠に成ってくれます。


2008/06/11

 

今丁度、茶に染める冬青や赤麻がない時期です。20日過ぎに越前八坂神社の掃除奉仕に毎年でかけて、ドッサリと赤麻をいただくと写真のような色をいただくことができます。もうそんな時期になったかと時間が経つのが早いな~と思います。


2008/06/18

 

肌色の染材・・・ 肌の染材には色々有りますが、工房でよく使う染材は梅・杏・花梨・桃・梨等です。

中でもバラ科のものは赤味をおびています。新しい染材を使うとその赤味は強いです。 何回も液だしをすると当然薄くなります。最後まで液だしして薪に使い、灰にして陶芸の釉薬に使ってもらっています。

写真は同じ2回目の染め色です。左が花梨・右が梅(2回共同じ染材を使った色)工房では混ぜながら肌を染めています。染材でこんなに色目が違っています。しかし肌色。イメージにそって使い分けています。

自然染めは身近でいつでも使えるものが良いとおもいます。


2008/06/25

 

梅雨の晴れ間の豆汁・・・

梅雨と言えども工房では少しの晴れ間を探して豆汁を行います。

染色をするには先ずは「豆汁」を、豆汁は濃染する一つの手段です。

こんな良いものはありません。布で服を作っても洗濯しての「糊」の役目もします。糸であれば糊をして織る必要がありません。豆汁をうまく使いこなして 「自然に優しい染織」をして欲しいと願います。

今回は布の豆汁、 布1kgに対して大豆300g:水1500cc

煮染め用 布1kgに対して大豆150g:水1500cc

藍染め用で特に注意するのは水。布豆汁は1回で終えます。

布と豆汁液をしっかりと時間を掛けてなじませ、布を絞らず干します。 糸と違って馴染ませる事に注意が要ります。布の厚み等で多少の豆汁のたれがありますがそのまま乾燥させます。一ヶ月後に染めます。


2008/06/27

 

赤麻で染め始めました。越前八坂さんでいただいた、「赤麻」葉が蒸れないように持ち帰り、早速液出しに入る。 45Lタンク2杯分採取し4~5煎液出しをしました。写真中が出したての色です。

糸は少し太い糸で1回染めです。豆汁をするとこんなに素晴らしく色素を吸ってくれます。茶に染めています。

今年の冬青が染めれる間。次は冬青を液出しです。


2008/06/27

 

赤麻で染め始めました。越前八坂さんでいただいた、「赤麻」葉が蒸れないように持ち帰り、早速液出しに入る。 45Lタンク2杯分採取し4~5煎液出しをしました。写真中が出したての色です。

糸は少し太い糸で1回染めです。豆汁をするとこんなに素晴らしく色素を吸ってくれます。茶に染めています。

今年の冬青が染めれる間。次は冬青を液出しです。